技術解説 商品企画1 ~マーケティングとリスクマネジメント~
ブラシレスモータドライバの設計事例
商品企画1 ~マーケティングとリスクマネージメント~
どんな製品の開発においても開発工程の順番があります。特に工業製品においては、
- ●高い技術水準
- ●安定な品質
を確保し、確実に工程を進める為にも開発手順、メソッドは大切です。
また、商業活動に付随する商品開発であれば、きちんと健全に利益を確保できるかの予測と判断も重要です。
製品(商品)開発をする時に最初に取り組む工程が「マーケティング」(生情報の収集、分析)とその情報に基づく「商品企画」(作戦)立案であり、最初の要になります。「製品(商品)を開発する」という事は、単に純粋な技術、設計作業だけ行えば良い訳ではありません。自分が開発しようとしている製品が、実際の市場で受け入れられるものなのか?
⇒自己満足、所謂ガラパゴスになっていないか?
机から離れ、事務所を出て
外の世界(商売のフィールド、客先など)へ飛び込んで生の情報を出来るだけ多く収集、分析しつつ業界トレンドを把握し具体的な製品像をイメージ固めして行く事が大切になります。更にコンペチターの存在、動静などを良く知る事も重要です。
自分は技術職だから、設計屋だから、品質担当だから...そんな営業みたいな事はやらない、出来ない、分からない等の考え方は甘えであり、我儘とも言えます。
リスクマネジメント
自分の活動内容、指針、計画が、
- ●社会のルールから逸脱していないか?
- ●市場の流れ、動向から外れていないか?
- ●適切なコスト判断ができているか?
- ●必要な要素(技術)は準備できているか?
など、多岐に渡り、都度適切に判断出来なければいけません。適切なリスク回避策(リスクマネージメント)も肝要になります。
マーケティング時のキーポイント
商業活動の規模が大きさに関わらず、下記の項目を含んだマーケティング作業はとても大切です。
- ●どんなユーザが想定されるか?
- ●ユーザの声(Voc)を集める
- ●どのくらいの需要(市場規模)があるか?
- ●売値と儲けは?
- ●開発費はどれくらい必要か?
どんな使途、用途であれ、製品を開発し世に生み出すのですからユーザに「価値ある良い品」と感じて貰えることが大切です。
コスト感覚を磨く
商業活動規模が大きくなるほど、コスト観念もより重要になります。いくら良い製品が出来上がったとしても製造原価が売値よりも高くなってしまえば「赤字」であり健全な商売とは言えません。
また、製造原価だけに対して端的に利益が得られてもダメで開発段階に費やした費用「開発費」の分も含めて総合的にきちんと利益、収益が得られねば、メーカとしては成り立ちません。