技術解説 特別コラム:モータ制御用マイコン
モータ制御
特別コラム:モータ制御用マイコン
今回はブラシレスモータを制御する上で求められるマイコンのスペックを紹介します。
19章 特別コラム:モータ制御用マイコン
前18章で汎用マイコンをブラシレスモータ制御回路に使用する例を紹介しました。マイコンを「標準コア」回路として開発しておくことで、新規のハード回路設計を行わず、ソフト開発を行うだけで新製品開発も可能になり、開発展望が大きく広がります。
マイコンはとても便利な高機能部品ですが、マイコンメーカも多く、様々な種類、製品数があり、ある程度慣れと経験がないと、どのマイコンを選んで良いのかも難しいものです。
そこで本章では、より高機能、高性能な要求仕様をより広く適用可能な下図の「標準コア」制御回路構成ターゲットとして使用可能な各種マイコンを紹介したいと思います。
モータ制御に使用するマイコンの必要スペック
下表にモータ制御「標準コア」を実現するに必要なスペックを示します。
他に配慮すべき項目
- ●小型なパッケージが望ましいが、手半田でのリペアできる簡便性も必要。
- LQFP48orLQFP64、QFN48クラスが望ましい。(実装面積12mm□以下)リード端子ピッチ=0.5mm
- ●販売単価
- 1,000円以下のイメージ
- ●入手性
- 流通量多く、どこの商社からでもすぐに購入可能な方が望ましい。
マイコン仕様のイメージ
上記の必要スペックをカバーする具体的なマイコンのイメージをまとめると
- ●ARMならCoreTex-M3 or M4クラスのCPUコアを搭載
- ●高速なアナログ(ADC):変換処理速度=1MHz級以上
- ●高速高分解能のPWMを有すること
- ●豊富なパッケージラインナップ
- ●市場シェアが高いもの(低価格で流通性が良い。普及実績多く高品質)
最後に
今回は、ブラシレスモータに適するマイコンを考察しましたが、他の種類のモータ、アクチュエータにも応用展開は可能ですし、更に各モータに最適なマイコンもあります。それについては、また機会がありましたら紹介したいと思います。