技術解説 商品企画6 ~構想設計(機能回路の具現化)~
ブラシレスモータドライバの設計事例
商品企画6 ~構想設計(機能回路の具現化)~
製品機能構成と使用部品の決定
次は、実際に各回路をどういった部品で実現するか、具体回路の詳細をどうするかを考える工程です。
前の工程で作った全体システム仕様に沿って、機能回路ブロック毎に「具体的な回路の設計」と「使用部品」を模索吟味しながら機能と性能が満たせる構成と内容を固めていきます。
設計品質(完成度)を高めるテクニック
作った回路に確固たる自信が持てれば良いのですが、世の中そう都合よくできていないのが常です。
新規性の高い回路(過去に製作して実績の回路以外は)であるほど、手間を惜しまずに実際に実験回路(基板)を作って、実際に所定の機能と性能が満足できるのかの検証を行いましょう。
●可能な限り、専用ICを使って構成する様にしましょう。
⇒大半の回路が賄えて、少ない部品数で構成できる。基板スペース、組立の手間も省力できて、製造品質も向上する。
回路によっては、
●ディスクリート部品を数多く複合し自分で要素回路を0から構築するケースも出ます。
⇒その場合は、ただ単に部品結線して回路図完成では無く慎重に検証をしましょう。検証は、実際に部品を半田付けして基板を作って実験確認するも良し、Spiceなどの回路シュミレータを活用するも良しです。
こういった作業は、地味で手間がかかるし、半田付け工作で汚れるし「面倒くさい!」と感じる向きも多いでしょう。
しかし、この地味な実験作業は、人間の科学探求活動である限り「基本動作」なのです。技術を自分のものにするためにも、自分の技術を磨くためにも必要なことです。
何回も言いますが、「人は繰り返すほど熟練してゆく」のですから。
機能実現表に整理整頓する
回路作成し、検証して決定した内容を細かな機能毎に機能実現表としてまとめていきます。
この表は、設計ドキュメントとしても大切なのですが、設計モレ、勘違い、ミス、不適合など不具合を見つけ出すのにも強力な武器になります。
この時、出来上がる製品(回路基板)のサイズ、配線積層数、材質、実装方法、製造組立方法などもイメージしながら使用部品(パッケージ含め)を策定しておきます。
勿論、原価コストに意識を置くことは重要であり部品の単価、調達安定性、入手の容易さなどにも配慮します。