技術解説 ステッピングモータの駆動運転

モータ制御

ステッピングモータの駆動運転

今回はステッピングモータの運転パターンや励磁方式、マイクロステップ駆動を紹介します。

9-2 ステッピングモータの駆動運転
ステッピングモータの運転パターン

矩形駆動(自起動運転パターン)

矩形駆動(自起動運転パターン)

加速、減速区間を設けずに、起動、停止させる基本運転パターンです。しかし、この運転は、自起動領域内でしか使用できません。

台形駆動(速度制御運転パターン)
台形駆動(速度制御運転パターン)

加速、減速区間を設け、目標定速に達するまでパルス速度を徐々に変化させる運転です。イナーシャが大きな場合の起動や、精度良く停止位置決めする場合などに用います。

ステッピングモータの励磁方式

各相のコイルへ決まった順番で電流を流す方式を励磁方式といいます。励磁方式には、1相励磁、2相励磁、1-2相励磁の3種類が基本になります。この励磁方式を運転用途(シーン)に応じて使い分けします。

1相励磁

主にユニポーラモータで使用します。1相ずつ励磁位相を進める方式で、フルステップ駆動ともいいます。消費電力は少なくなりますが、振動が発生し易くなります。

1相励磁
2相励磁

バイポーラモータでのフルステップ駆動方式です。2相ずつ励磁位相を進める方式です。ユニポーラモータの1相励磁よりも、出力トルクが大きくダンピング性に優れており、より滑らかに動作します。

2相励磁
1-2相励磁

1相励磁と2相励磁を交互に繰り返す方式で、ハーフステップ駆動ともいいます。モータのステップ角分解能は、1相や2相励磁方式の半分になります。2相励磁よりも更に滑らかに動作します。

1-2相励磁(ハーフステップ駆動)
マイクロステップ駆動

フルステップ、ハーフステップ駆動が、2つのコイル電流をON/OFFし一定角ずつ回転させるのに対し、マイクロステップ駆動は、2つのコイル電流比率を階段状に変化させることで、更に細かいステップ角で回転させることができます。

下記表に各ステップ(励磁)モードでの分割数を示します。

励磁モードと分割数
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